「受け口(反対咬合)」と診断されたら!!

3歳のムー坊は、3歳児検診で受け口と診断され、ママのモモコさんと一緒にムーシールドの開発者であるムネ先生に相談することにしました。
2人はギモンがいっぱい。ぜひ2人と一緒に受け口(反対咬合)について考えていきましょう!

受け口とは
どういう状態をさすのでしょうか?

下の歯が上の歯を隠している状態です。

受け口とは「反対咬合」と呼ばれる「かみ合わせの悪い状態」の1つです。上あごの成長が抑えられてしまい、下あごの成長が進んでいる状態を指します。

良い状態の歯
上の歯が下の歯にかぶさっている
(良い状態)
悪い状態の歯
下の歯が上の歯を隠している
(悪い状態)

反対咬合は治療しないとダメでしょうか?
このまま放置するとどんな悪影響が
出てしまうのでしょうか?

発音、食べ方、顔貌など劣等感を覚える
可能性があります。

放置すると、治療がますます困難になることがありますので、早めの治療をおすすめします。まずは歯科医師に相談してみて下さい。

ムー坊は3歳ですが、
何歳から治療できますか?

3~5歳くらいから治療できます。

乳歯列(全ての歯が子供の歯)であっても治療可能と考えています。ただし、診断・記録のため、大きな頭部規格レントゲン写真(セファロ)を撮ったり、歯型を採ったりすることがありますので、それらを受け入れられる年齢であることが望ましいと考えます。総合的に考えて、おおよそ3歳後半から治療可能と考えられます。もちろん4歳、5歳になっても、遅すぎるということはありません。ぜひ早めに相談して下さいね。

ムー坊でも治療できそうですね!
ただ、成長とともに治っていくことは
ないですか?

自然に治る可能性は低いです。

近親者に反対咬合の方がいる場合や、反対になっている歯の数が6本以上の場合などは、反対咬合が自然に治る可能性は極めて低くなります。反対になっている歯の数が数本の場合、永久歯(大人の歯)に生え替わる時に自然に治る可能性もあります。

経過観察
経過観察(様子見/4本の前歯が反対)
自然治癒が難しい状態
自然治癒が難しい状態(6本の前歯が反対)

しかし、永久歯になったら、数本の反対咬合であっても自然に治ることはありません。至急治療する必要性が高い場合もあります。また、乳歯列の時代に一度治しておくと、正しいかみ合わせで咀嚼(そしゃく:噛んで食べ物を砕くこと)できるようになり、正しいあごの成長が期待できます。総合的な判断が必要となりますので、小児歯科、矯正歯科などのクリニックで相談することをおすすめします。

えっ? 反対咬合って遺伝するんですか?

遺伝します!

親子で顔かたちが似るように、反対咬合は遺伝します。ご両親、祖父母に反対咬合の方がいなくても、その前の祖先から反対咬合の遺伝子を引き継いでいることもあり得ます。実は私たち日本人は、人種的にみて、欧米人よりも反対咬合の傾向が高いと言われているんですよ。

先生が開発されたという
「ムーシールド治療」ってなんですか?

これです!

ムーシールドくわえるようにして口の中に入れておく装置です。反対咬合の人は舌が本来よりも低い位置にあるので、下の歯を押してしまい上あごを正しく成長させることができないと言われています。ムーシールドは、舌を安定して正しい位置で機能させられる筋肉を作ることを一つのゴールとした装置です。くわえるだけなので、3歳のムー坊でも簡単に使えますね。私が開発したムーシールドは、2004年に製品化されて、のべ10万人以上の患者さんの治療に用いられています。

ムーシールド治療で治っても、
さらに治療が必要になることは
ありますか?

「改善されたらそれで治療は終わり」では
ありません。

ムーシールドで早期に治療をしても、それで治療が終わりということではありません。確かに、反対咬合を一度治して、正しい咀嚼ができるようにすることは、正しいあごの成長を期待する上で重要なことです。しかし、遺伝的な要因は改善できません。少なくとも、身長が伸びなくなるまでは、定期的に検診を受けて、歯ならびの状態を確認し続けることが望ましいでしょう。次の段階の治療が必要になるケースもあります。反対咬合の治療には長い時間がかかると考えて下さい。

ムーシールドを使って
反対咬合が改善された例です。

case1
この子はムーシールドを使いはじめて約4ヶ月で改善されています。
毎日、きちんと装着することが改善への早道です。
before after

case2
1本の歯だけが反対咬合だったケースです。約2 ヶ月で表に出てきました。 before after
これらは一例で個人差はありますが、根気よくあきらめず装着をつづけて、改善を目指していくことが大切です!

ムーシールド治療のポイント

  • ・受け口(反対咬合)と診断されたら、まずは早めに歯科医師に相談しましょう!
  • ・ムーシールドの装着は主に寝ている間です。歯科医師の指示に従い、適切に装着しましょう!
  • ・寝ている間に口の中から装置が出てきてしまうことも…。はじめのうちはそれでもOK。いずれは出てこなくなります。根気強さが大切です。
  • ・ムーシールドは正しく装着して効果がでます。お子様のモチベーション向上には、ご家族の協力が必要不可欠!!
  • ・通院はお口の中の状態を確認し、適切に治療を進めていくために大切なことです。決められた日にきちんと通院しましょう!